日本以上にブランディングの価値を痛感している中国
なかなか社内のブランディング構築の優先度が上がらない現実がありますが、そろそろ緊急度を上げなければならないと感じています。情報と技術の繁栄によって、これまで日本が秀でていた技術力だけでは戦えなくなっていきました。さらに、労働人口は刻々と減少していますから、ブランディングの必要性に目を向けなければいけないでしょう。
実際に、中国や韓国に目を向けてみると、日本よりもブランドの価値を重要視している感覚を抱きます。特に中国は、徹底的に日本やヨーロッパの商品を真似して成長してきたといえます。
しかし、ブランディングが確立された商品は、どれだけそっくりに真似しても全く売れないわけです。彼らは、日本人よりよっぽどブランドの価値を痛感しているんです。
その結果、商品の魅せ方は洗練されていき、どの市場でも着実に選ばれる商品を生み出すことに成功しています。人口が(日本に比べて)圧倒的に多い中国国内でも、戦い方を深めているわけです。だからこそ、ブランディングを見直していかないと、日本企業が勝てるわけがない。そんな現状を理解しなければならないでしょう。
価格を下げるのではなく、高くても選ばれるストーリーが大事
日本には技術力とクオリティの高さがあります。ただ、それだけで戦える時代はずいぶん前に終わってしまっている。安くて良いものを追求しても、勝ち目が薄いことに僕たちは気付き始めているはずです。
国内外問わずブランディングのサポートを行う中で感じるのは、日本は「日本語」という言語と、「島国である」という環境に守られているということです。もし日本が英語圏であれば、すでにハングリーな海外企業に市場を取られていた可能性だってあったのです。
労働人口が減り、物価が安い。でも値段をあげられない。もう、相当な危機感を持ってブランディング力を高めないといけない時代がやって来ています。
その仕組みや、価値を伝える仕組みがないと勝機は巡ってこないでしょう。
ブランディングにおいて、値引きは最も楽な手段です。しかし、値引きからストーリーが生まれることはありません。まずは、サービスの魅力を自分たちが見つけること。そして、それを伝えていくことで、ブランドは構築されていくんです。