デロイト内部崩壊#5Photo:Anthony Marsland/gettyimages

ビッグ4最大手のデロイト トーマツ コンサルティングで内部崩壊が進んでいる。ひそかに人員削減計画を策定したデロイトは、水面下で人員体制の見直しを進めている。長期連載『コンサル大解剖』内で10回前後にわたり配信予定の特集『デロイト内部崩壊』の第5回では、主に若手を標的とした強制的な部署異動やグループ会社への出向といった苛烈な人員整理の実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

デロイトトップが全社員に経営改革を強調
若手社員を対象に水面下で進む人員整理

「PMDをはじめとするすべての皆さんの力を結集しながら、DTCは正しい道を歩もうとしていると自負しています」。12月1日、デロイト トーマツ コンサルティングの佐瀬真人社長は、全社員宛てのメールで、そう強調した。

「デロイト トーマツ コンサルティングに関する一部記事について」と題したそのメールで、佐瀬氏は「一部メディア」で掲載された記事に触れ、「偏った見方で揶揄(やゆ)した内容となっている」と批判を加えている。

 実際の記事は具体的には明示されていないものの、ダイヤモンド編集部が同日に配信した『【スクープ】アクセンチュア対抗策の不発、営業力低下、“社員ファースト”の弊害…デロイト内部資料が明かす業績悪化の「病根」』を指すとみられる。

 メールの中で、佐瀬氏は経営改革の議論を進めていることを改めて強調したうえで、「誤った認識に立脚した記事に惑わされることなく、組織一丸となって前進を続けていきましょう」と締めくくっている。

 ダイヤモンド編集部が特集『デロイト内部崩壊』を報じて以降、デロイトの経営陣は経営改革を進める旨を再三にわたり社員向けにアナウンスしている。

 その一方で、経営陣が全く触れていない点がある。それが、『【スクープ】デロイトが内部崩壊!“予算未達ドミノ”で大幅下方修正、「禁じ手」人員削減リストラ計画の全容』でも触れた人員削減に関わるものだ。

 実は、経営改革に取り組むという経営トップの掛け声の裏で、人員体制の見直しが粛々と進められている。しかも、標的となっているのは主に若手社員で、”強制的”な配置転換などの憂き目に遭っている。

 どの部隊から、どれくらいの人数が、どこに異動や出向しているのか。待遇に変化はあるのか…。次ページでは、デロイトが水面下で進める関連会社への出向や“追い出し部屋”への異動など人員整理の実態を明らかにする。