シリーズ『デロイト内部崩壊』(6)Photo:Andrii Yalanskyi/gettyimages

ビッグ4最大手のデロイト トーマツ コンサルティングが1月に組織体制を大幅に見直すことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。フロントの主要14部門を半分に集約する。長期連載『コンサル大解剖』内で10回前後にわたり配信予定の特集『デロイト内部崩壊』の第6回では、デロイトが業績悪化に歯止めをかけるために打ち出した組織体制の見直しの中身に加え、大胆な組織改革が抱えるリスクについても明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

デロイトがフロント部門改革
全社会議で組織見直しを公表

 変革スピードをアップできるようマネジメント集約を実施する――。12月21日、デロイト トーマツ コンサルティングが開いた全社会議で、佐瀬真人社長は組織体制を大幅に見直すと明らかにした。

 デロイトは今期、業績不振に直面している(『【スクープ】デロイトが内部崩壊!“予算未達ドミノ”で大幅下方修正、「禁じ手」人員削減リストラ計画の全容』参照)。10月下旬に開かれた緊急のパートナー会議でも、佐瀬氏が業績悪化を認め、経営課題を総括していた。

 同時に、佐瀬氏が実行を明言していたのがフロント改革である。まさに「稼ぐ力」を取り戻すために、改革の柱の一つに挙げられたのが、組織体制の見直しだ。

 12月の全社会議で示されたのは、その見直しの中身である。具体的には、フロントで現状14ある主要部門を7つに集約する。再編は、業界担当の「インダストリー」と、テーマ担当の「オファリング」の二つの軸をも越えて実行される計画だ。

 次ページでは、1月に発足する新たな組織体制の全容を明らかにする。組織数の増加や、人的リソースの偏在、部門間の連携不足…、デロイトの不振の要因は多岐にわたる。今回の組織改革で、そうした”病根”は解消できるのか。佐瀬氏のプレゼンテーションを基に、改革の狙いを示す。

 ただし、大がかりな改革には死角も存在する。乾坤一擲(けんこいってき)ともいえる組織の大幅見直しがはらむリスクについても明かす。