ビッグ4最大手のデロイト トーマツ コンサルティングが業績不振にあえいでいる。その要因の一つに挙げられるのが、一部パートナーへの行き過ぎた「高額報酬」だ。報酬の実額はいくらなのか。社内で「稼いでいないのに報酬が高い」と批判を集めている層とは。長期連載『コンサル大解剖』内の特集『デロイト内部崩壊』では10回前後にわたり、巨大コンサルの内部崩壊劇の内幕を明かす。第4回は、パートナーの報酬額や仕組みを明らかにするほか、問題点を浮き彫りにする。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
パートナー賞与大幅カットの裏に
「高すぎる報酬問題」
パートナーの大幅な賞与カット――。今期、各部門で“予算未達ドミノ”にあえぐデロイト トーマツ コンサルティングは、リストラ策の一環としてそんなコストカットの手を繰り出した。
『【スクープ】デロイトが内部崩壊!“予算未達ドミノ”で大幅下方修正、「禁じ手」人員削減リストラ計画の全容』で既報の通り、デロイトは深刻な業績悪化に直面している。
複合的な要因が組み合わさって起きたデロイトの内部崩壊だが、その引き金の一つといえるのが一部パートナーへの行き過ぎた「高額報酬」である。
「“稼がない”パートナーも報酬がどんどん上がっていった」。あるデロイト関係者はそう不満を打ち明ける。
パートナーの中には、CxOの役職者など直接売り上げを稼いでくるフロント部門以外の担当者も含まれる。しかも、ここ数年、パートナー報酬の増額だけでなく、パートナーの増員も進めてきており、パートナー全体の報酬がデロイトにとって重荷になっていたのだ。
そうした一部パートナーに対し、業務の内容と報酬が釣り合わないと不満を持つ社員は少なくない。報酬の不公平感が、組織間のあつれきを生んでいるほか、何より業績悪化を招いた幹部が高報酬を確保しているのはおかしい、との批判につながっているのだ。
では、デロイトのパートナーの報酬はいったいどれほどなのか。次ページでは、ダイヤモンド編集部の独自取材に基づき、パートナーのグレードや、グレードごとの報酬の実額を公開する。
中でも、「実際に稼いでいないのに報酬が高すぎる」と社内から批判を集めるグレードがある。その正体を明らかにしていく。