子どもの習い事選びで「住んでいる場所」が大事なワケ【教育専門家が解説】Photo:PIXTA

「ピッタリの習い事を選べるかで子どもの将来は大きく変わる」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、【習い事選びで失敗しないためのとっておきのワザ】をお届けする。

習い事選びで「住んでいる場所」は重要

 習い事の目的は子どもをプロにすることではなく、長く続けて成功体験につなげてあげることだとお伝えしました(詳細は『習い事で「子どもの強みを伸ばせる親」と「伸ばせない親」の差とは?【教育専門家が解説】』を参照)。

 少しでも楽しくレベルアップできる習い事を選んであげたい――そう思う親御さんも多いのではないでしょうか。そこで大切なのは「住んでいる場所」です。

 どういうことか、成功例をご紹介しましょう。

 私が暮らすハワイでは、水泳、サーフィン、セーリングなどのウォータースポーツが盛んです。

 日本ではマイナースポーツかもしれませんが、男性選手が大多数を占めるセーリングで活躍する若き女性セーラーがシージェイ・ペレス選手です。ハワイ生まれのペレス選手は、セーリングをする家庭で育ったわけではありませんが、ハワイで開催されるセーリング競技を見て興味を持つようになりました。中学生になって本格的に指導を受け始めると、すぐに力をつけ大人(男性中心)の大会に参戦、ランキングを上げました。高校1年生の時に北米選手権で初の女性選手として優勝。高校2年生(2019年)の時には世界選手権で優勝しました。

 ペレス選手はハワイで暮らしていなければ、セーリング競技自体に興味を持たなかったかもしれません。いつでも練習できる豊かな環境があり、レベルの高い指導者やライバルが身近にいることも、彼女が短期間で世界トップ選手になれた要因です。

 このように、子どもの習い事を高いレベルに引き上げるには「地の利を活かす」ことが大切です。

 スポーツだけではありません。例えば、日本では、ヤマハ、河合楽器製作所など世界に名だたる楽器メーカーが本社を構える静岡県は、音楽が盛んなエリアとして知られています。芸術・アートであれば、世界的な美術館やアートに関わる文化施設が多い東京都が子どもの技能を伸ばすには良い環境です。

 皆さんが住んでいる地域にも盛んなスポーツや文化活動があると思います。そのような活動には、良き指導者、レベルの高い競争相手、協力的な地域社会、充実した練習施設など、子どもの技能を高める上で理想的な環境が整っています。

「わが子にピッタリ合う習い事を知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にベストマッチの習い事」がカンタンに分かります!

習い事は「子育て成功」の最短ルート!

子どもの習い事選びで「住んでいる場所」が大事なワケ【教育専門家が解説】「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。