つみたて投資枠で“1本だけ”買うなら、海外株に投資するインデックス投信。まずは投資先などのタイプで絞り込みますが、オススメは「全世界株型」「先進国株型」「米国株」の3タイプです。次はその中から、具体的な投資信託を選びます。今回は『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2024年度版』から、つみたて投資枠で“ベスト投信”を選ぶポイント、そして注意点を解説します。
インデックス投信選びの最重要点はコスト
“中身”が同じなら、より安いほうを!
新NISAのつみたて投資枠で1本だけ買うなら、「全世界株型」「先進国株型」「米国株」の3タイプのインデックス投信がオススメです(前回の本連載を参照)。次はその中で、具体的に“ベスト”の投資信託を選びましょう。
これは難しくありません。インデックス投信は、市場全体の値動きを示す「指数」に成績が連動します。投資先、つまり対象の指数が同じなら、中身(運用内容)もほぼ同じです。差がつくのは、「信託報酬」というコスト。したがって、信託報酬がなるべく安い投信を選べばいいのです。
その際、なるべく幅広い投資先をカバーする、メジャーな指数であることが重要です。もっとも、つみたて投資枠で対象となっている超低コスト投信はメジャーな指数ばかりなので、コスト優先で選んでも問題ないでしょう(成長投資枠はそうとは限りません)。
細かく言えば、同じ市場でも指数の種類によってカバーする範囲、たとえば日本を含むか否かや値動きの傾向に違いがあります。中上級者は選ぶポイントになり得ますが、投資初心者はそこまでこだわらなくても大丈夫です。
熾烈なコスト引下げ競争が展開中
迷ったら「eMAXIS Slim」を選べばOK
最近、インデックス投信では激しいコスト引下げ競争が起きており、信託報酬のランキングが頻繁に入れ替わる状況です。もちろん、信託報酬は少しでも安いほうがいいのですが、0.1%程度の違いはあまり気にする必要はありません。それよりも、投資対象や指数の違いのほうが重要です。信託報酬の差が0.1%以上なら、乗換えも選択肢となります。
迷ったら「eMAXIS Slim」シリーズを選べばOKです。この投資信託は“業界最低水準のコスト”をうたっており、他に最安の投信が出た場合は、それに合わせて信託報酬を引下げてきます。なお、“Slim”が付かない「eMAXIS」シリーズもつみたて投資枠の対象となっていますが、こちらは「eMAXIS Slim」が登場する以前の古いシリーズで、信託報酬が非常に高いので間違わないよう注意してください。
また、買える投資信託は金融機関によって異なります。「eMAXIS Slim」シリーズは多くの証券会社や銀行で購入可能ですが、取り扱いがない金融機関もあります。その場合は、同じ投資先で信託報酬が同程度の水準なら、“買っていい”投信です。
もう1つの注意点として、特定の金融機関でしか買えない、という超低コストの投資信託が最近増えています。新NISAの口座は1人1つしかつくれません。他の投資信託は買わない、あるいはすでにその金融機関で新NISAの口座をつくっている、という場合はそれを選んでも問題ありません。しかしそうでなければ、他の投資信託の取り扱い状況なども確認して、慎重に検討しましょう。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2024年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。