米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。
投資効率を上げる
オプション取引──
カバードコール戦略
投資効率を上げるオプション取引におけるカバードコール戦略について解説しましょう。
カバードコールとは、簡単にいうなら、自分が「保有」している銘柄を使って現金収入(オプション料)を稼ぐ戦略です。
株の値上がり益(キャピタルゲイン)を放棄する対価として金利(オプションプレミアム)を得る戦略ともいえます。
カバードコール戦略とは?
現在株価が100ドルの銘柄Bをあなたが保有しており、売却を考えているとします。
通常は指値注文を出すところですが、あなたはオプション取引を使い、「3か月以内に、銘柄Bが110ドル以上になったら、110ドルで売ってあげます」というオプションを300ドルで売り出して、成立したとします。
現金をゲット
1回目の取引で、3か月以内に銘柄Bの株価が110ドル以上にならなければ、300ドルの現金がゲットできます。
2回目の取引でも、3か月以内に銘柄Bの株価が110ドル以上にならなければ、再び300ドルの現金がゲットできます。
ここまで、300ドル+300ドル=600ドルの現金がゲットできる計算です。
株価が上がったらどうなる?
しかし、株価が上がることだって考えられます。
3回目の取引で、3か月以内に銘柄Bの株価が115ドルになったとします。「110ドル以上になったら、110ドルで売る」という約束をしていますから、115ドルの銘柄Bを110ドルで売ることになります。
115ドル-110ドル、つまり5ドル分だけキャピタルゲインを損している計算になりますが、その間に900ドルのオプション料をゲットしているのですから、収益はプラスになっているのです。