米ハーバード大学のクローディン・ゲイ学長が2日に辞任したのは、学内での反ユダヤ主義の広がりと自身の論文盗用疑惑を巡る引責の対応だった。大学トップとしての彼女の振る舞いは明らかに同大の評判を落とした。今後問題となるのは、ゲイ氏を学長に選び、今回の大失態で管理責任を負うハーバード大理事会が、同大を支配する口やかましい進歩派勢力との対立を恐れない教育者を次の学長に据えることで、バランスを取り戻せるのかという点だ。  イスラム組織ハマスによる昨年10月7日のイスラエル市民虐殺の後の数カ月間、ハーバード大のキャンパスではユダヤ人学生に敵対的な空気が広がっていた。