自らのキャリアを
「5つの枠組み」から考える

 多くの人にとって働く上での最終ゴールになりうる【5資産】。これを手に入れるために、一般的にはそのスタート地点に立つための【1資格】を得るところからキャリアは始まります。そして、体力や時間など時限的なリソースである【2資源】に自分の【3資質】をかけ合わせながら仕事に取り組み、自分の強みである【4資本】に変換させていき、最終的に【5資産】を得る。まずはここで、それぞれについて簡単に説明します。

【1資格】

 第1の資は「資格」です。自分がやりたいことや進みたい道、勤め先に入社するための挑戦権を得るための活動です。具体的には勉強や学習、就職活動、国家資格が必要な職業であれば資格取得など、キャリアのスタート地点に立つためのものが含まれます。また、社会人1~3年くらいの若いうちに転職活動することもこれに該当します。

【2資源】

 第2の資は「資源」です。自分がやりたいことをやる資格を得られたら、次はいよいよキャリアの土台づくりが始まります。優秀なエンジニア学生やデザイナーなどは例外かもしれませんが、キャリアの序盤からすでに即戦力として使えるスキルを持っている人は少数派です。多くの人たちはまず「1.仕事に使える時間」「2.体力」「3.頭のはたらき」「4.新鮮な気持ち」などの資源を元に努力し、自身の強み【4資本】を身につけていくことになります。

 これら資源は、個人差こそあれ加齢により失われていく時限的なリソースです。いつまでも資源に頼った働き方はできません。枯渇する前に自分の【3資質】をかけ合わせ、【4資本】へと効果的に変換していく必要があります。

【3資質】

 第3の資は「資質」です。資源を費やしてどれだけの資本が得られるかは、自分自身の「1.好き嫌い」「2.得手不得手」「3.原動力」「4.成長する力」といった資質によって大きく変わってきます。【2資源】は枯渇しやすいため、なるべく早い段階で自分の資質に気づき、好きで得意な仕事に資源を投入できると、その後の強み【4資本】につながりやすくなります。