倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#11Photo:amtitus/gettyimages

中国経済の減速や半導体関連の市況調整を背景に、足元で大手が軒並み業績を落とす化学業界。2023年度上半期決算では、レゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)やJSR、住友化学といった大手が最終赤字を計上するなど、市況は荒れている。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#11では、化学業界の倒産危険度ランキングを検証。“危険水域”にランクインした24社の顔触れを見ていこう。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

需要低迷で化学業界に試練
住友化学、レゾナックらが下方修正

 急転直下の赤字転落――。住友化学は2024年3月期の上半期決算で通期の業績予想を下方修正し、従来の100億円の純利益から一転、950億円の最終赤字になる見通しを明らかにした。

 住友化学は十倉雅和・経団連会長が会長を務める企業でもある。経済界のトップの出身母体が業績悪化に陥ったことは、十倉氏の発信力にも影響を与えかねない由々しき事態だ。

 化学業界各社の業績が急降下している。住友化学のみならず、レゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)やJSRといった大手が2023年度上半期決算で最終赤字を計上。旭化成や三井化学などは通期の見通しを下方修正した。

 要因の一つが、中国経済の減速だ。

 特に、汎用石油化学(石化)製品の一大生産地となっている中国での需要減少による需給の悪化がアジア全体に波及し、業績の足を引っ張った。また、これまでけん引役となってきた半導体や電子材料は足元で半導体関連の市況調整が発生しており、需要低迷で業績悪化につながった。

 もともと石化製品の余剰生産力の合理化などが課題となってきた化学業界だが、市場環境の悪化を背景に再編機運も増している。まさに、動乱の真っただ中にある業界だ。

 本稿では、そんな化学業界の倒産危険度を検証した。その結果、24社が“危険水域”にランクインしたことが判明した。早速、次ページでその一覧をチェックしよう。