手持ち資金3000万、生活費は月30万円
いずれ資金が底をつく……?
お2人の年金の見込み額はどのぐらいですか?
(妻)「ねんきん定期便」では年金見込額は夫が16万円、私が6万円の22万円となっています。
すると引退後の生活費30万円には8万円が不足しますね。 光男さんが60歳から65歳までは年収が360万円、生活費の年額も360万円とすれば、収支はちょうどトントン。この期間は貯金はできないけれど、資金の目減りもしないと考えましょう。問題は65歳以降。ここからは年金だけでは不足するので、自己資金からの取り崩しとなります。差額は月8万円。年間96万円です。さらに65歳から95歳の30年では2880万円、40年で3840万円を手持ち資金から取り崩す計算になります。
(夫)そしたら95歳で自己資金3000万円をほぼ使い果たしてしまうわけですね。それ以上長生きしたらマズイ……。「長生きリスク」ってやつですか。長生きリスクなんて他人事だと思っていたけど自分事に……。
(妻)でも80歳、90歳になったら、もうそんなにお金はいらないんじゃない?
(夫)いいね、君は楽天的で……。俺は心配性だから不安だよ……。
もちろん、生活費を圧縮して年金の範囲で暮らしていくという選択もあります。ただ申し訳ないのですが、今の話は支出が月額30万円、年間360万円で収まった場合のことです。
(夫)というと……?
毎月30万円が最低かかる生活費としたら、ゆとりの分が欲しいですよね。それに生きていくためには毎月の生活費だけでなく、臨時の出費、想定外の出費もあります。車の買い替えとか、家のリフォームとか。
(夫)あ〜、そうだ! 今の車、もう10年経つんです。この先、どこかで1回、いや、もしかしたら2回は買い替えが必要だと思います。うちは車がないと不便な場所なので。
(妻)家の修繕費も考えておかないと……。うちは今、築25年だけど、水回りをそろそろリフォームしたいし、今後は屋根や外壁なんかも修繕しないといけないんじゃないかな。それって結構な費用がかかりますよね……。
(夫)あれこれやってると1000万円ぐらいすぐになくなりそう……。そしたらやっぱり足りないですね……。
(妻)独立はしたけれど、子どもたちにかかるお金も考えないと……。今は2人とも独身だけど、結婚するなら結婚費用も必要だろうし、孫が生まれたらお祝いもあげたいし……。相手の方の実家の手前を考えると、ある程度は出さないとカッコ悪いし。
(夫)なに今から見栄張ってるの(笑)。
それから今後、時間の余裕ができたら旅行なども行かれませんか?
(妻)行きたいです!
そうしたらその費用も考えましょう。
(夫)どっちにしても私たちが貯金してきた額では足りないってことですね。いざとなれば年金があると思っていたのに、ショックです。
そうお考えになる方は多いのですが、実際には年金だけでは足りない人のほうが多いんです。