パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
平均寿命の伸びが加速
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著、東洋経済新報社)という2016年刊行の本において、「人生100年時代」というキーワードが提唱されて話題になりました。
1990年と比較しても、人間の寿命は6歳延びており、2040年にはさらに2歳延びるとされています。僕の世代が80歳を迎える2070年には、平均年齢が90歳を超える可能性があります。
バイオや製薬の技術が発達すれば、がんによる死亡リスクも減り、平均寿命の延びが加速する可能性すらあるでしょう。
60年間働く時代になる?
平均寿命が延びることによって人は「もっと長く働くことになる」ということです。
定年退職の年齢が65歳に引き上げられたのは2013年ですが、2021年には70歳までの就業機会の確保が努力義務となりました。
今後は75歳などに引き上げられる可能性もあります。一方で成人は18歳に引き下げられ、仮に18歳から75歳まで働くとなれば、60年近く働くことになります。
60年間で経験する変化とは?
今から60年前は1960年代。まだ日本が高度経済成長している時代です。
そこから半導体が大きな産業になり、家電、自動車産業で日本企業が世界を席巻し、インターネット、スマホ、AIなど新しい技術が登場しました。
日本は高度経済成長からバブル経済の30年の後、失われた30年を経験しましたが、この流れすべてを、多くの人が生涯のキャリアで経験することになるイメージです。
「人生100年時代」に
求められる“変化対応力”
変化の速度は、テクノロジーによって加速していますから、さらに激しい変化に見舞われることは十分にあり得ます。
つまり、働いているうちに、社会も産業の構造も激変するのは、もはや前提条件。そう考えると、1つの会社や1つの専門性に依存することのリスクを感じざるを得ないでしょう。
むしろ、どんな変化が訪れても、学び直し、自分の目標を再設定し直し、適切なリスクをとりながら行動できる起業家精神が、よりいっそう大事になってくるのです。
望むか望まないかにかかわらず、このような未来は、ほぼ確実に訪れます。それに合わせて最善の準備をするに越したことはないと思うのです。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。