特別養護老人ホーム(特養)は入居を希望する待機者が多過ぎるし、「安かろう、悪かろう」。そう思い込んで、自分や家族の「終の棲家」として検討する際の選択肢に入れていないとしたら、もったいない。看取り実績で厳選した特養788施設リストを9回に分けて大公開する。特集『後悔しない医療・介護』の#16でお届けするのは兵庫県の109施設リストだ。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
床擦れを発生させない!
入居者個々のリスクを評価
特別養護老人ホーム(特養)における介護サービスの中で、基本的な部分に上乗せされた取り組みには、国が定めた基準をクリアしたものについて介護報酬が加算される。2024年度の介護報酬改定も反映すると、加算項目数は50近くに及ぶ。
このうち「褥瘡マネジメント加算」は、入居者に対して国が定める基準以上の褥瘡予防策を行っている施設が算定できるものだ(下表参照)。褥瘡とは、床擦れのこと。寝たきりになると、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり、皮膚が赤みを帯びたり、ただれたりする。これを放置すると潰瘍などができてしまうので、介護においてはとても需要なケアとなる。
褥瘡マネジメント加算を取得する施設では、入居者個々に対して褥瘡発生に関わるリスクを定期的に評価し、発生リスクの高い入居者ごとに医師や看護師、介護職員、管理栄養士などの多職種が連携して褥瘡ケア計画を作成。個々に状態を記録して管理し、入居者に褥瘡が発生しないようにする。
特養における介護報酬加算で特に注目してほしいのが「看取り介護加算」だ。次ページでは、この加算データを基に、看取り実績から厳選した兵庫県の109施設リストを大公開する。