特別養護老人ホーム(特養)は入居を希望する待機者が多過ぎるし、「安かろう、悪かろう」。そう思い込んで、自分や家族の「終の棲家」として検討する際の選択肢に入れていないとしたら、もったいない。看取り実績で厳選した特養788施設リストを9回に分けて大公開する。特集『後悔しない医療・介護』の#18でお届けするのは福岡県の76施設リストだ。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
早く入居したいなら
ユニット型が狙い目
高齢者向け施設・住宅で最も利用者数が多いのが特別養護老人ホーム(特養)である。特養と一言でくくっても、個々にサービスの質が異なったり、本人に合う合わないがあったりする。それを見極めるには、見学することが第一である。
ただ見学するだけでなく、施設の情報データを収集することも重要だ。厚生労働省のウェブサイトである「介護サービス情報公表システム」では、全国の施設が年1回のペースで情報を更新している。
まずはこうした情報を基に複数の施設を比較して、見学先候補を選び出したり、見学時に確認すべき点を導き出したりする。その上で見学の際は、近年に看取った人数、どんなケアを受けられるのか、認知症への支援体制、虐待が起こりにくい取り組みをしているかなど、さらに情報を確認していくと検討しやすいだろう。また、現場の実態や雰囲気を体感しておきたい。
昔は評判が良くても、施設長やリーダー的な人が入れ替わると、雰囲気やサービスの中身ががらりと変わったりするので、本人や家族の目で確かめることが肝要だ。
見学後に入居を申し込むと、入居待機者リストに登録される。複数の施設に申し込めば、順番は回ってきやすい。早く入居したいなら、ユニット型施設が狙い目だ。
近年は国による推奨の下、全て個室のユニット型施設が増えている。ユニット型は従来型施設より費用がかさむ。安さが第一という待機者はユニット型を避けるため、空きがあれば入りやすい。
ダイヤモンド編集部では、前出の情報公表システムのデータに基づき、看取り介護の実績がある788施設を厳選してリストを作成した。このリストには、施設選びのポイントとなる情報を盛り込んでいる。次ページでは、福岡県の76施設リストを大公開する。