米国株は最高値を更新し、米経済はめったに起きないソフトランディング(軟着陸)の態勢が整ったように見える。何かまずいことが起こり得るだろうか。実はたくさんある。株価は2年前ほど割高ではないものの、新型コロナウイルス流行前の10年間の平均に比べると高水準にある。特に「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるテック大手7社の一部は、株価に大胆な仮定が織り込まれている。楽観論が的外れだった場合に何が起こり得るかを教えてくれるのは、アジアをおいて他にない。このところ急上昇している日経平均株価は、バブル崩壊直前の1989年12月に付けた過去最高値の3万8957円まであと8%に迫っている。偶然にも現在これに近い水準で推移しているダウ工業株30種平均は、当時7000(ドル)に届いていなかった。中国で今起きていることも教訓になるかもしれない。MSCIチャイナ指数は現在、2007年半ばの水準を大きく下回っている。
日本の失われた数十年、米国も陥る可能性は
34年かけてかろうじて株価回復、日本が示すバブルの怖さ
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