2024年春闘での定期昇給相当込みの
賃上げ率の大和総研見通し

昨年よりも整った中小企業の賃上げ体制、日本経済好循環への試金石に2024年春闘での定期昇給相当込みの賃上げ率の大和総研見通し 「法人企業統計」「消費者物価指数」などを基に推計

 いよいよ始まった2024年春闘。注目が集まるのはやはり賃上げ率だ。大和総研では、30年ぶりの高水準となった昨年を上回る3.8%(定期昇給込み)を見込んでいる。

 最大の焦点は、大企業の大幅な賃上げに中小企業がどの程度追随できるかだ。日本労働組合総連合会(連合)が集計した23年の賃上げ率は、千人以上の企業で3.7%だった一方、99人以下では2.9%にとどまっている。

 日本商工会議所によれば、23年度に賃上げを実施した企業の約6割は、業績の改善が見られない中での「防衛的な賃上げ」だった。このような経緯から、中小企業が今年度も大幅な賃上げを続けることは難しいとの見方も多い。