航空貨物輸出「24カ月連続減」の歴史的低水準!回復のカギ握る“期待の産業”とは?24年は“上昇気流”に乗れるか 写真提供カーゴニュース

2023年、日本発の輸出航空貨物量(混載貨物ベース)はコロナ禍で荷動きが停滞した20年の実績をさらに下回る歴史的低水準となった。24年の荷動きに関しては、どうなりそうか? 仕向け地、主要貨物、地政学リスク、海上輸送の混乱などの影響から考える。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

輸出量はコロナ禍の実績を下回る

 輸出入航空貨物の“低空飛行”が続いている。航空貨物運送協会(JAFA、岡本宏行会長)が発表した2023年の国際航空貨物実績によると、日本発の輸出航空貨物量(混載貨物ベース)は前年比25.2%減の76万862トンとなり、2年連続で減少。コロナ禍で荷動きが停滞した20年の実績をさらに下回る歴史的低水準となった。

 海上輸送が正常化し、航空に流れていた貨物の海上回帰が進んだことや、企業の在庫積み増しによる緊急輸送の需要減が響いた。輸入航空貨物量も71万8277トン(21.8%減)と前年比2桁のマイナス。円安に伴う物価上昇で一般消費財の需要が伸びず、コロナの収束とともに医薬品の輸入も減少した。24年は“上昇気流”に乗れるか注目される。

 輸出航空貨物量の推移をみると、21年は海上輸送の混乱やスペースひっ迫に伴う「船落ち貨物」流入の特需もあり、116万7321トン(前年比48.8%増)と過去最高を記録。翌22年は海上輸送の混乱が一服したことから、12.9%減となる101万6950トンと2桁の減少となった。23年は前年からさらに約25万6000トン(25.2%)減少して通年実績は76万862トンで着地し、コロナ禍の影響で歴史的低水準となった20年実績(78万4538トン)をも下回る結果となった。