倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#13Photo:amtitus/gettyimages

コロナ禍で大打撃を受けた航空・鉄道業界。最悪期は脱しつつあるものの、円安の影響で海外旅行の回復は鈍く、在宅勤務の普及でビジネス需要は戻っていない。総合ランキングとは別に市場環境が激変した17業界について、それぞれ倒産危険度ランキングを作成。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#13では、航空・鉄道業界を取り上げる。22社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

回復基調の航空・鉄道会社に懸念材料
ビジネス需要の弱さと金利上昇圧力

 航空・鉄道会社の業績が回復基調にある。新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴って、旅行需要が戻っていることが主要因。インバウンド(訪日外国人客)の回復も追い風だ。

 ただ、懸念材料がある。鉄道会社は、定期券以外の運賃収入がコロナ禍前に近いところまで戻してきている。だが、安定的な収入である定期券は、2割程度低い水準のままだ。在宅勤務の定着で、ビジネス需要は弱い。

 航空会社も、国内線の観光需要は堅調だが、海外旅行の回復とビジネス需要の戻りが遅れている。海外旅行の伸び悩みは、円安傾向が背景にある。

 もう一つ大きな心配事は、金利上昇圧力の高まりだ。実際、金利が正常に機能する世界に向けて、日本銀行が4月にもマイナス金利解除に動くとの見方は根強い。今後、ゼロ金利解除、利上げへと段階的に進めば、航空会社・鉄道会社へのダメージは大きい。

 航空機や鉄道車両を数多く必要とする「装置産業」であるため、航空会社・鉄道会社の有利子負債は膨らみやすく、金利の上昇が経営を直撃するのだ。

 そこで、ダイヤモンド編集部は航空・鉄道業界の倒産危険度ランキングを作成。すると、22社が“危険水域”に入っていることが判明した。

 大手企業では、ANAホールディングスがワースト11位、JR東日本が6位になった。1位になった航空・鉄道会社はどこか。JR各社や大手私鉄の順位は?次ページでは、ランクインした企業の実名と顔触れを見ていこう。