もし転職の相談を受けたらどうする?

 対して、相談されやすい人は、相手を突き放すこともしなければ、寄り添うだけで終わるということもありません。しっかりと悩みの種になっている「原因」を引き出しつつ、自分の思っていることも伝えられるのです。

 たとえば、若手から転職の相談をされたとして会話を見ていきましょう。

A「転職しようか悩んでて...」
B「どうして?」
A「仕事でミスも多いし、自分には向いてないと思うから」
B「なるほど。たしかにミスが続くとそう思うよね。でも、そういうことなら私は反対かな。どんな仕事でもミスは生まれるものだから、転職しても根本的な解決にはならないと思う。それだったら、ミスを減らす方法を一緒に考えてみた方がいいと思う」

 このような形です。相手の「転職」という相談の根底にある原因を引き出したうえで、自分の意見もしっかりと伝えています。

 もしかすると、ここまではっきり反対しなくてもいいのでは、と思う人もいるかもしれませんが、はっきり意見を言うことは悪いことではありません。むしろ真剣な悩みであればあるほど、裏表がない人だなと信頼できるでしょう。意見を言わないのはNGです。

 信頼される人は、意見を押し付けるでも言わなすぎるでもなく、順序を守りながら適切に伝えることができます。意識だけで実践できることですので、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。