しかしながら、今、このビジネス社会も若者を育てる機能を失おうとしています。労働時間の問題、ハラスメントの問題などのさまざまな環境変化。若手育成の難易度が増しています。自信を持てず、頭を悩ませている多くの経営者の姿を見ています。私は、これまでの経験をすべてつぎ込んで、みなさまのサポートがしたいと思っています。
振り返ると、私は社員にとって厳しい経営者だったと思います。なぜ厳しくできたのか。社員をどこでも活躍できる人材にする。つまり、CSAを身につけさせる。それが社員に対する一番の恩返しになる。その信念を持っていたからです。会社の成長のため、利益のためという利己的な理由ではここまで厳しくできなかったと思います。
そのCSAの背景にある想い。具体的な内容。どう身につけさせていくのか。「CSA経営」として本書でまとめました。もし、CSAの「7つの考え方」「20の能力」「4つの環境」の中で気に入っていただけた部分が1つでもありましたら、ぜひ導入してみてください。
私がこれからやっていきたい
2つのテーマ
私が今後やりたいことは、この「CSA経営」を広めることです。目的はこれまで述べた通り、お世話になったクライアントの経営者を支援すること。その先におられる社員のみなさまに「どこでも活躍できる力」を身につけてもらうことです。
具体的な取り組みは2つです。1つは先ごろ「一般社団法人CSA経営協会」を設立しました。経営塾を開設し、WEBや対面によるセミナーや勉強会などを実施。本書でご説明したCSA経営の理解を深めていただくこと。経営者の方々の悩みに個別でご相談に乗ること。私にご協力できることがあれば、お力になりたいと思っております。
この経営塾は共創型です。私から一方的に何かを伝える。そうではなく、みなさまと一緒に「CSA経営」を進化させていく。これまでは社員とつくってきましたが、これからは経営者のみなさまとつくっていきたいと考えています。疑問に思うこと、異論があること、さまざまな意見を出し合いながら、共に学んでいきたい。
経営者のみなさま、この本についてのご意見や疑問もいただければ幸いです。ぜひ巻末の連絡先にお気軽にご連絡いただけたらと思います。必ず私から返信させていただきます。
もう1つは、2020年から行っている「CSA賞」。正式には「CSA賞~20代に薦めたい『次世代型人材』創出企業~」です。主観正義性と収益性を両立し、かつ、20代の若手を「どこでも活躍できる人材」に育成している。このような企業に光を当てることが目的です。ゆくゆくは「CSA経営協会」でご支援させていただいた企業が「CSA賞」を獲得できるようにしていければと考えています。
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第1回 経営者の仕事は「どこでも活躍できる優秀な人材」を社内で増やすこと
第2回 CSAがあれば会社が危機に直面しても乗り越えられる