興奮しやすい市場アナリストたちは、各中央銀行の利上げがいつ、どのぐらいの幅で行われるかが、あたかも世界経済の主なリスクであるかのように話している。日本では27日、円相場が急落し、対ドルで数十年ぶりの安値を付ける中で、別のリスク要因が見えてきた。円相場は一時1ドル=151円97銭まで下げ、34年ぶりの安値を付けた。鈴木俊一財務相は、円相場のこれ以上の変動を「行き過ぎ」と判断した場合、市場介入する姿勢を示した。投資家は152円をレッドライン(越えてはならない一線)と考えているが、125円が円相場の「心理的な節目」と考えられていたのは、それほど前のことではない。これは、円と日本経済の激しく揺れるジェットコースターが、新たに宙返りしたようなものだ。日銀は最近、金融正常化に向けた控えめな一歩を踏み出し、短期金利の誘導目標を2016年以来となるプラス圏に設定した。投資家が日銀の動くタイミングを臆測する中、円相場はこのニュースが到来するまでの数カ月間にわたり、大きく変動していた。