わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校 2025年入試対応#6Photo:PIXTA

中学受験の最難関とされる「筑駒」こと、筑波大学附属駒場中学校(東京都世田谷区)の今年度の入試で「異変」が起きた。例年に比べ多くの繰り上げ合格者が出たことに、SNSでは「信じられない」「日本一の筑駒を辞退してどこに行くのか?」と驚きの声が広がっている。

ダイヤモンド編集部は同校に問い合わせ、繰り上げ合格者数の推移を示すデータを入手。その結果、過去5年間で最も多くの辞退者が出ていることが分かった。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#6では、背景にある「3つの理由」を分析し、学校側の受け止めを伝える。(ダイヤモンド・ライフ編集部副編集長 神庭亮介)

日銀総裁も輩出、東大合格90人の超名門

 筑駒は国立の中高一貫の男子校で、1947年に東京農業教育専門学校附属中学校として開校した。四谷大塚の「Aライン80偏差値」は73で、開成(71)や灘(72)をも上回る。中学で約120人、高校で約40人が入学し、約160人の卒業生のうち今年は現役で69人、浪人も含めると90人が東京大学に合格するなど、ズバ抜けた進学実績を誇る。

 日本銀行の植田和男総裁や黒田東彦前総裁をはじめ、細田博之・前衆議院議長、日本共産党の小池晃書記局長ら官界・政界に多くの人材を輩出している。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長を務めた尾身茂氏や、劇作家・演出家の野田秀樹氏、大王製紙元社長の井川意高氏らもOBだ。

 そんな「絶対王者」筑駒に何が起こっているのか? 次ページからは、学校側が明らかにした過去5年分の繰り上げ合格者のデータと、辞退者急増の背景にある「3つの理由」を分析する。