さまざまな中高一貫校がある中、どうやって受験校を選べばいいのか。人気の渋谷教育学園渋谷、東京大学合格者100人超えが話題となった聖光学院……。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#32では、2024年の受験動向を踏まえ、来年の難関校選びの参考になる情報を、進学塾VAMOSの富永雄輔代表が解説する。(構成/ダイヤモンド編集部 山本 輝)
上位陣の志望校選びは多様化
“不人気校”が特にない
2024年の中学入試を総括すると、感じるのは上位陣の志望校選びがかなり多様化した、ということだ。20~30年前と比較すると、学校側の努力により多くの学校の実績が上がったことで、いわゆる“御三家”だけにこだわらない志望校選びがいよいよ始まりつつある。
例えば、いま人気が高い渋谷教育学園渋谷(渋渋)は約30年前の1996年に開校された学校だ。ちょうど自身が受験生のときに渋渋を知ったという保護者層が徐々に増えており、保護者のメンタリティも変化していることが多様化の背景にあるのだろう。
そうした変化の中で、今年は筑波大学附属駒場(筑駒)のような最難関校でも繰り上げ合格が多発するなど、われわれ受験のプロですら予測できなかった、常識が通用しない事態になっている。
どの学校も人気、より正確に言えば「不人気校が特段ない」というのが昨今の特徴だ。前年の難化による反動など、一時的な変化はあるものの、いまは保護者のリテラシーも高くなっており、ちょっとしたうわさ程度で簡単に難易度は変動しなくなっている。
それらを踏まえて、来年以降の志望校選びの具体的な話をしよう。
次ページでは、VAMOS代表の富永氏が、共学校、男子校、女子校の別に、25年入試に向けた難関校の志望校選びの参考になる情報をお届けする。