私自身、器量も悪く人より劣っているという劣等感をバネに、たくさん本を読み、必死に勉強しました。自分の弱点を悟られまいと、とにかく完璧にしようと努力したのです。

 例えば、学会での発表や原稿を書く際には、自分が読める関連資料にはすべて目を通します。資料をいろいろな角度から見てテーマに対する結論を得て、いつどんな質問が飛んできても答えられるように努めています。今、私がこの仕事に就いているのも、そうしたたくさんの文献を読み、研鑽に励んだ賜物と言えるでしょう。

「死にたいくらいの劣等感」を克服する方法

 だからもし、あなたが劣等感で悩んでいるなら、それを隠そうとするのではなく、他の長所を伸ばし育てていくことで、劣等感を小さくしていくように努めてください。

 他人の視線から自由になり、自分自身を見つめてみましょう。誰にでも弱点はあり、そして、探してみれば強みも多いものです。自分の欠点ばかりをクローズアップして尻込みしてしまうなら、それは他人の視線に縛られているということなのです。

 自分のことを情けない、人より劣っている欠点だらけの人間だと見ていれば、人生もそう流れるのです。しかし、自分はやさしくて思いやりがあり、何事も一生懸命な人間だと見れば、不思議と人生もそう流れて行く。まったく同じ「私」という人間なのに、自分自身をどう見るか次第で人生は変わるのです。

(本原稿は『私が人生をやり直せたら』から一部抜粋、追加加筆したものです)