以降、ドラマ化された『外事警察』や特殊部隊の実態を描いた『瀕死のライオン』など、事実に基づくリアルな描写が特徴の作品を書いていますが、今回は日本が中国と武力衝突する可能性を描いた、軍事機密満載の作品に挑みました。ストーリーを紹介するのはネタバレになるので多くは語りませんが、舞台は宮古島。台湾侵攻の前哨戦として宮古島の占拠を企てる作戦がテーマとだけ言っておきます。

日米同盟による台湾防衛の鍵となる
「極秘の防衛システム」とは

 が、この作品に登場する新兵器、あるいは新事実こそ、読者は知っておくべきだと思います。たとえば、先ほどのNEWS以外に秘密裏に開発されている兵器として、米国が開発を断念した戦略ミサイルを撃墜できるレーザービーム兵器(三菱重工が、米国が持っていない大電力充電装置を開発し、米国と共同で完成させる予定)とか、すでに世界最初の実射実験を開始したレールガン(電磁兵器で超高速弾を発射して、超高速ミサイルに対抗する)といったゲームの世界のような兵器が登場します。

 また、COPシステム(日米同盟の根幹となる通信ネットワークシステム)からの様々な情報は日本も完全に共有していて、陸上自衛隊などは戦闘時、タブレット端末に共通作戦状況図が指揮官に細かく伝えられ、攻撃するか防御をとるかといった指示が送られます。

 さらに、驚くシステムが登場します。新兵器だけで戦争に勝てるわけではありません。現代戦は情報戦。宇宙空間の衛星監視、早期警戒機の遠距離レーダー偵察が、勝敗を決めます。ロシアが簡単にウクライナを占領できると目論んだのに阻止されたのも、米軍とNATOによる偵察情報が正確で、その情報を提供されたウクライナ軍がロシア軍の配置を見切って防衛陣地を構築したからこそ撃退できました。

 つまり、情報を米欧と共有することこそ、日米同盟が台湾を防衛できるか否かの鍵となります。そのために必要な秘密のシステムが存在します。どれも、メディアが一度も書いたことがない極秘インテリジェンスネットワークシステムです。

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