夢の「株主優待生活」
落とし穴には要注意

 ただし、すべての会社で優待制度があるわけではありません。

 買える銘柄の約3分の1、大体1500銘柄程度なので、その中からよさそうなものを探してみてください。優待制度のある会社は、会社のホームページのIR情報(企業が株主に向けて株主優待制度のほか、経営、財務状況などの情報を提供する活動のこと)のコーナーで紹介しています。

 女性は懸賞品を当てるのが好きな方が多いので、優待のほうが入りやすいかもしれません。私の母も、桐谷さんの本を読んで「買ってみようかしら」と言っていました。

 注意が必要なのは、優待を受けるためには必要な株数と優待の権利を確定する日が決められていること。持っている株が必要な数より少なかったり、権利確定日前に株を手放してしまったりすると優待を受けられなくなります【図2】。

 また、優待権利確定日の前は優待目当ての人が株を買うので、急に株価が上がり、確定日のあとは売られて急下落することがあることを知っておいたほうがいいかもしれません。高いときに買うより、安いときに買うほうがいいという点は変わりませんので、買うのなら早めに買ったほうがいいと思います。

 株には、優待の他に配当金があります。

 配当金は会社の利益が出たときに、出資してくれた額に応じて株主に還元する仕組みです。ですので、業績が悪い会社は出せませんし、ベンチャー企業も設備投資にお金を回すために出さないことが多いです。

 私は普段買い物をするときもできるだけ安いものを探したり、節約志向なので配当金に執着しそうなタイプなのですが、たまたまついていたら嬉しいなと思うくらい、あまりそれ目当てで株は探しません。

 ちなみに配当金のことを「インカムゲイン」と呼び、配当金や株主優待で利益を得ることを「草食系投資」、安く買って高く売ることで得る利益を「キャピタルゲイン」と呼び、その投資スタイルを「肉食系投資」と言います。

 桐谷さんはよく「自分は農業」で、私のことを「狩りをする肉食系」と言うんです(笑)。