ID.4 ライトはバッテリー容量52kWhで最高出力125kW(170ps)、最大トルク310Nmを発揮。一方でID.4プロはバッテリー容量77kWhで150kW(204ps)/310Nmとなる。

フォルクスワーゲン ID.4プロプロにはシルバールーフレールやパノラマガラスのサンルーフ、20インチホイールなどが備わる。

 今回はエントリーグレードの「ID.4 ライト」に試乗した。プロと比較してみるとエクステリアでは、プロのヘッドライトがマトリクスLEDなのに対して、ベーシックなLEDライトになる。そしてタイヤサイズはプロが20インチなのに対して、18インチに。またルーフアーチがプロはグレーなのに対して、ライトはブラックに。パノラマガラスサンルーフも省かれている。

 その一方でメリットもある。バッテリー容量が少ないため車両重量がプロの2140kgに対して1950kgと190kgも軽くなることだ。体重60kgの大人3人分と考えれば、やはりその差は大きい。プロとライトでは最大トルクは同じなため発進時には明らかに軽さを感じる。コーナリング時の身のこなしも適度なロールをともない、いたって自然なもの。また18インチの60扁平といういまどきとしてはエアボリュームの多いタイヤを装着しているため路面とのコンタクトがやさしく、街乗りでの乗り心地はこちらのほうが穏やかだ。

 気になる価格はプロが648万8000円、ライトが514万2000円とその差は134万6000円。国や自治体の補助金を活用すれば、ライトであれば400万円台前半あたりで購入できる算段だ。ID.4は後輪駆動ゆえ意外なほど運転が楽しいし、長いホイールベースで見た目以上に後席スペースもゆったりとしており実用性も高い。自宅に充電設備が用意できるのなら、日常のパートナーとしてぴったりなまさに“ライト”サイズな一台だと思う。

フォルクスワーゲンのSUV型EVが「514万円」でもしっかり売れる納得の理由