また、「いいね」やリポストが多い投稿ほど正しい情報であると捉えられる傾向があるのではないか、とも話している。
そして、自分がデマを拡散する側にならないためにも、「拡散する前に一呼吸置くこと」や「自分の情報を受け取る側について想像力を働かせる」といったことが肝要であると提言している。
流布しやすいデマの特徴
まさか自分が……
以前、この連載に書いたことがあるが、筆者が比較的クレバーだと目している我が父が、オレオレ詐欺に引っかかりかけた。というか、もうほぼ完全に引っかかっていて、面倒な電話を終わらせて一刻も早く口座に入金してほしい詐欺師と、筆者を自称する息子の元にとりあえず駆けつけたいから場所を教えろと騒ぐ父との押し問答のさなかに、母が電話を嘘だと見破って幕引きとなった。
父が引っかかったのはなぜかというと、「息子(筆者)が何か下手をこいて何百万円もの損失を出し、軟禁されている」というデマにコロッと踊らされたからである。すなわち「ネガティブで不安を煽る内容」である。
事後、父は「まさか自分が引っかかるとは」という感想を漏らした。おそらく、デマとはおおむねそうした感想を人に抱かせるはずである。根拠の薄い自信や楽天的な安心感は狡猾なデマの前では無力に等しい。だが上記に挙げたようなデマの特徴について意識的でいれば、デマを誤信するリスクを減らせるはずである。
特にマイナンバーなどの先進的なIT技術の仕組みは、素人から見ると理解不能でしかなく、不安の種が萌芽しやすいジャンルとなっている。今後もSNSやネット記事から情報を拾う機会は、現代人ならいやでも多くあるだろうから、まずはデマを見極める姿勢と眼力を養っていきたいところである。