売却せずとも道はある
また、最初に思いつくように売却をするという選択肢を取ることもできます。もちろん、こだわって買った、もしくは新規にリノベーション・リフォームした思い入れのある家を他人に貸し出すことに抵抗がある人もいると思います。
加えて、購入から期間が経っていない場合の売却は、賃貸に出すのと比べて、購入の初期費用を回収できるほどの利益を得られない可能性が高いです(下図)。その場合は積極的な貸出しを検討したほうがいいでしょう。
転勤によって賃貸に出す際は、ポイントが1点あります。それはできる限り「定期借家契約」で賃貸に出すということです。定期借家契約とは、期間が決まった賃貸の契約のことです。通常の賃貸(普通賃貸借契約といいます)の場合、日本の民法上「借り手」のほうの権利が強いです。
たとえば転勤から帰ってきたので自分の持家に住みたい。けど借り手が出ていってくれない……という事態に陥る可能性もあります。
一方で定期借家契約の場合、たとえば、2年間といった期間を定めて期間が終了した場合、当然退去をしてもらうこともできますし、転勤が延びたとなれば、その期間の更新も交渉できたり、また物件価値の上昇に伴う賃料の値上げも更新時に新しい契約として設定することができます。