サステナビリティー経営の第一歩とは
「社会に望まれる形で、組織を永続させる」という観点からは、悪質な客と、善良な従業員の、どちらを守るべきだろうか。
悪質な客に頭を下げ、当社が悪うございましたと対応したならば、何が起こるか。
悪質な客は自分たちが正しいのだと図に乗り、自社サービスにはそうした客があふれかえってしまうようになるだろう。
そうなれば、それ以外の多数を占める善良な顧客が、不快な思いをするようになる。自社の従業員も疲弊していく。何より、悪質な客がそこかしこに跋扈(ばっこ)する社会が生み出されてしまう。
一方、善良な従業員を守り、悪質な客に毅然とした対応を取った場合はどうだろう。
悪質な客は自社サービスから排除されていき、多数を占める善良な顧客にとって、より満足度の高い、望ましいサービスになる。従業員は健全に職務に尽くすことができる。
そして、より善良な意識にあふれる、従業員と顧客との間で歓びの交換が行われる社会が実現されていく。
サステナビリティー経営を願うなら、本来、「善良な従業員を守ること」一択だったはず。人を中心とした経営が大切だと思うならば、自社のために働いてくれる善き心を持った従業員を守ることが、その第一歩となるのだ。