他の誰でもない、自分にとって心地よい生き方ってなんだろう?
しかし、周りにまず配慮するというその美徳は、裏を返せば、世間の目を気にしすぎるというマイナス面につながります。私も長年そうでした。
私たちは世間体を絶えず気にしながら生活しています。「社会人として」折り合いをつけながら器用に生きている人もいれば、不器用で窮屈な思いをしている人もいるでしょう。自分を押し殺していろいろ我慢をしている人もいるかもしれません。
しかし人は誰でも「自分らしく生きたい!」と思っているのではないでしょうか。時には「するべき」ことを忘れ、「したい」ようにすることが出来たらどれだけラクなことでしょう。「自分は本当はどうしたいのだろう?」「他の誰でもない、自分にとって心地よい生き方ってなんだろう?」……ふと立ち止まって考えてみてください。
「そんなことを言われても、社会や企業のトップが変わらない限り、自分がどう意識を変えようが無駄」とあなたは思っているかもしれません。でも私は自信を持って断言します。それは間違っています。誰にでも、ありのままの自分をさらけ出して生きることはできます。
生きづらさを世の中のせいにするのは簡単なことです。しかし世間体というものは自分で背負っていることが多いのです。自分に厳しい人は、他人にも厳しい。関係ない人のことまでとやかく言う。だから厄介なのです。私はこの負の連鎖を断ち切りたいと思っています。
爽快な人生を一緒に楽しみましょう
本連載でこれからご紹介する現場の話をする度に、日本の知人たちは感嘆の声をあげます。いいえ、ファッション業界に対する憧れの黄色い声ではありません。「人は人」「自分は自分」と割り切って生きているパリジェンヌの生きざまに対する呆れと感心の混ざった声です。
「パリジェンヌって本当にすっぴんで出勤してるの?」
「90歳過ぎていつもハイヒールって、めちゃめちゃかっこいい!」
「子育ては割り切って外注してるのね!」
そしてみんな口を揃え、溜め息交じりに言うのです。
「なんかいいよね、パリジェンヌ。私もちょっと吹っ切れたわ」
この連載を読み進めていただいたら、あなたも気持ちが吹っ切れているはずです。そして、吹っ切れてしまえばこちらのもの。今までなぜ、あれほどまでに人目を気にしていたのか、驚いてしまうことでしょう。肩の力が抜け、「自分は自分でいいのだ」と納得した瞬間、とてもラクになります。この本は、日々の生活で簡単に実践することのできる「自分なりの生き方を貫くコツ」に溢れていますから、すぐにでも行動に移したくなるはずです。
初めの一歩を踏み出しましょう。爽快な人生を一緒に楽しみましょう。
※本稿は『パリジェンヌはすっぴんがお好き』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。