倒産のニューノーマル写真はイメージです Photo:PIXTA

2023年の日本での出生数は75万8631人で過去最少、死亡数は159万503人で過去最多となり、死亡数は出生数の約2.1倍となった(厚生労働省データ)。少子高齢化が深刻になればなるほど企業における社長の高齢化や後継者・人手不足問題も深刻化していくことは言うまでもない。そうしたなか、日本における企業の誕生と消滅の実態はどうなっているのか。帝国データバンクの調査結果を紹介する。(帝国データバンク 情報統括部情報編集課長 阿部成伸)

新設法人数は15万2860社
消滅事業者の2.2倍

 帝国データバンクの調査では、2023年の全国企業倒産件数(法的整理かつ負債1000万円以上、個人事業者を含む)は8497件、また、同年に全国で休業・廃業・解散の状態であることが確認された事業者(個人事業者を含む)は5万9105件となった。今回はそれらを合算した6万7602事業者が2023年に実質的に消滅(事業停止を含む)した事業者数と定義する。

 一方、帝国データバンクの企業データベースや登記情報などをもとに2023年に新設された法人数を調べると、2000年以降で最多となる15万2860社となった。

 こうして導き出した新設法人数と消滅事業者数(倒産件数+休業・廃業・解散件数)を比較()すると、2023年は新設法人数が消滅事業者数の2.26倍となった。

 単純比較するものではないかもしれないが、人の死亡数は出生数の約2.1倍、新設法人数は消滅事業者数の約2.2倍と正反対の状況にあることは興味深い。

※倒産件数および休業・廃業・解散件数には個人事業者を含んでいるが、新設法人数には含まれていない