転職市場が活発になる一方で、採用後に期待通りの活躍ができなければ、すぐに辞めて別の会社に移ればいいという風潮が蔓延している。採用のミスマッチという問題を解決する便利な方法の一つが「リファレンスチェック」だ。その中身について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)
前職での働き方が
今後のキャリアに影響を及ぼす
転職市場が拡大する中、人材採用で障壁となるのが「ミスマッチ」だ。企業側の視点で見ると、採用候補者が筆記試験や面接で好感触だったとしても、いざ採用してみると期待したほど活躍せず、すぐに辞めてしまうということは昔からある。
それを解決する方法の一つに「リファレンスチェック」というものがある。
「バックグラウンドチェック」が主に犯罪歴やガバナンス、コンプライアンス上の問題や懸念点を見つけるものに対し、リファレンスチェックは候補者の過去の実績を見える化し、多面的に評価することを目的としている。
これにより、候補者の適性を見極めたり、どのポジションで活躍できるかを見つけるために役立つ。
リファレンスチェックは、一般的に最終面接前に実施されることが多い。候補者を見極める精度を向上させるためだ。内定を出すかどうか社内で意見が分かれた場合や、内定後にマネジメントの参考にするため実施する企業も多い。
近年、新卒で入社後、職場環境が合わなければすぐに転職すればいいという風潮が広がっている。しかし、前職での働き方が今後のキャリアに大きく影響することを就職活動中の新卒も意識しておくべきだ。
では、リファレンスチェックではどんな情報が得られるのか。また、実際に採用活動でリファレンスチェックを利用した企業が、合否の判定にどのようなポイントを重視していたのか、具体的な事例を基に見てみよう。