中学受験後も「学力が伸び続ける子」と「伸び悩む子」を分けるたった1つの違いとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「学力が伸び続ける子には、共通点がある」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。本「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【学力アップに欠かせない「特効薬」の正体】をお届けする。

「好き」な得意分野がある子→ずっと伸びる!

 自分の好きなことに本気で取り組んできた子どもは「自分はこれなら人に負けない」という「自信」を得ることができます。好きなことは、魚、イラスト、昆虫、飛行機、宇宙、スポーツ、音楽など何でもいいのです。

 魚のことなら誰よりも詳しい。飛行機のことなら自分が一番。自分は昆虫博士だ。そんな「自尊感情」を小学生の頃に持つことができると、自己形成がスムーズに進みやすくなります。

 何か1つ「得意分野」を持たせてあげる。これを常に意識しながら子育てに当たることが子どもの「特性」を伸ばすカギなのです。

 都市部を中心に、中学受験がブームです。「受験に心血を注いでも自己形成ができるのでは?」と思うかもしれませんが、志望校に合格することで「目標」を失う子どもが増えています

 また、合格後にさらに激化する競争に心が折れ、伸び悩むケースも少なくありません。これは、難関校の教師たちも頭を悩ませている問題です。

 勉強面でトップレベル、たとえば東大合格を目指すのであれば、小学校、中学、高校と周囲のレベルが上がっていく中で「常にトップレベル」にいなければなりません。

 さらに、勉強分野には一定数の天才が存在しますから、「常にトップレベル」になることは並大抵の努力では実現できないのです。

 人生に向かい合う姿勢、価値観、将来の夢など、人間形成にとって重要な時期を「受験勉強だけ」で過ごしてしまうと、青年期(ティーンエイジャー)になった時に「自分は何がしたいのか?」「自分は何ができるのか?」という自己形成がスムーズに実現できず、周囲に流されやすい、みんなに合わせて「なんとなく生きる人」になってしまう危険性があります。

「得意分野」を持つことの大切さは大人になれば誰もが痛感しますが、子ども時代には気づくことができません。だから人生の先輩である親が子どもの「好き」をとことんやらせて「得意」を育てる手伝いをしてあげなければならないのです。

「人生の目標は大人になってから見つければいい!」「子ども時代に夢や目標はなかったけれど、今は立派に生きているぞ!」という人もいるでしょう。

 しかし、大人になってから得意を持つには、人一倍の努力を、長期間にわたって積み重ねていかなければなりません。

 また、いかなる分野を目指そうとも、子ども時代から「好き」を一心に探究してきた達人たちという「高い壁」が存在するのです。

 中学・高校受験を理由に習い事や趣味をやめさせて勉強に集中させることを選択する家庭が多いですが、受験勉強と習い事は両立できます。私の経験からいえば、好きなことを続けている子どもの方が受験勉強でも成功する確率が高く、さらに、合格後も伸び続けます

 好きを追求するプロセスで知識や経験や自信を積み上げていくと、多くの人が体験したことのない高いステージに到達できます。自分の好きなことをやり抜くことでしか到達できない境地があるのです。 

 しかし、いくら好きなことをとことん追求させるといっても、人生経験の少ない子どもが自分の力で追求できる範囲には限界があります。親が子どもの気質に合わせて、継続的にサポートすることが欠かせないのです。

「わが子の気質を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。

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中学受験後も「学力が伸び続ける子」と「伸び悩む子」を分けるたった1つの違いとは?ピッタリの習い事は子どもの強みを育てる最高のチャンス!『「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より
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子育て成功のカギは「強み育て」にある

中学受験後も「学力が伸び続ける子」と「伸び悩む子」を分けるたった1つの違いとは?「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。