1896年5月26日に誕生したダウ工業株30種平均は先週、128歳を迎えた。ダウ平均に「若返りの泉」の水を与え、何が起こるか見てみよう。一つヒントをあげよう。そこから得られる教訓は、市場だけでなくマーケティング――特にバックテストと呼ばれる、ウォール街のマーケティング手法の中心となる統計的な汚い手口――に関するものでもある。そして、今年に入りS&P500種指数を大幅にアンダーパフォームしているダウ平均を使うことで、プロがどのように一般投資家の目をごまかそうとしているのかを説明できる。両指数の算出方式を考えてみよう。ダウ平均は株価平均型であり、ある銘柄の株価が高ければ高いほど、指数への寄与度は高くなる。一方、S&P500種は浮動株調整後時価総額(株価に発行済み株式数をかけ、浮動株の数で調整したもの)で加重平均されている(ダウ平均という指数の所有権は元々、ウォール・ストリート・ジャーナル=WSJの発行元であるダウ・ジョーンズにあったが、現在はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが所有。ただし、WSJの編集者2人が株価平均委員会のメンバーを務めている)。
投信の過去の「成績」、実績とは限らず
ウォール街は仮想リターンを売り込みがちなため、投資家は重要な質問をすべきだ
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