回答のポイント:シャープペンシルの使用場面を想像し、推定に反映する
主なユーザーや所有本数、買い替えるタイミングを具体的にイメージし、推定方法の検討や数値設定に生かしましょう。
解答例は以下の通りです。
推定する範囲を定め、推定式を立てる
今回、私はシャープペンシル「本体」の市場規模について推定します。シャープペンシルの替え芯など、本体以外については推定の範囲から外して考えます。
シャープペンシル市場の推定に際しては、次のように、「シャープペンシルを使用している人数」を求めたうえで、それぞれが「何本くらい」を「いくらの値段で」で購入しているのか、「買い替え頻度(何年に1度買い替えるか)」はどの程度かについて考えたいと思います。
シャープペンシルの市場規模
=「シャープペンシル使用人数 × 1人あたりの所有本数」×「1本あたりの価格」÷「買い替え頻度」

ユーザーを場合分けをして推定式の数値を設定する
シャープペンシルの使用人数についてですが、シャープペンシルを頻繁に使うユーザーとして一番に学生が思い浮かびます。
また、オフィス労働者もシャープペンシルを使用する人は多いと思います。
その他のユーザーとしては、生産現場で働くような現場労働者や主婦・高齢者などが存在しますが、先ほどの学生やオフィス労働者ほど使用場面は多くないと考えました。
これらを踏まえ、ユーザーのセグメント別に、推定式の数値を設定しました。

所有本数について、小学生はシャープペンシルではなく鉛筆を使う人が多い一方で、中高生や大学生は基本的にシャープペンシルを使う人が多いです。
また、オフィス労働者はシャープペンシルだけではなく、ボールペンや万年筆を使う人もいるでしょう。
よって、小学生は2人に1人が持つということで0.5本、それ以外の学生を2本、オフィス労働者を1.5本、それ以外を平均的に1本と置きました。
価格について、大学生やオフィス労働者は多少デザイン性や機能性にこだわりを持つと考え、こうしたユーザーとそれ以外のユーザーで差をつけてみました。
買い替え頻度について、シャープペンシルは替え芯があるため、基本的には壊れた時が買い替えるタイミングになります。
自分の経験から、年齢が上がるにつれて物持ちは良くなると考え、買い替え頻度は年齢が上がるにつれて落ち着いていくように設定しました。
以上より、セグメント別の市場規模は、次のようになります。
・小学生:600万×0.5×500÷1=15億(円)
・中学生:300万×2×500÷2=15億(円)
・高校生:300万×2×500÷3=10億(円)
・大学生:200万×2×800÷4=8億(円)
・オフィス労働者:2,700万×1.5×800÷5=64.8億(円)
・その他:7,300万×1×500÷10=36.5億(円)
これらの数値を合計すると、
15+15+10+8+64.8+36.5=149.3(億円)
となり、シャープペンシルの国内市場規模は、およそ150億円と推定できました。以上となります。ありがとうございました。
面接官からの質問と受け答え
――推定結果について、実際の市場規模より大きいと思いますか、小さいと思いますか?
少し小さいと感じています。
理由としては、今回の推定対象には「日常使いしていない、机の引出しに眠っているようなシャープペンシル」などを含めておらず、1人あたりの所有本数を小さく見積もっているからです。
――シャープペンシルのメインユーザーである学生の市場規模が社会人よりも小さい理由は何でしょうか?
理由として2点、(1)学生は社会人よりも人口が少ないこと、(2)シャープペンシルの替え芯を市場規模の推定範囲に含めていないことがあります。
学生の人口は小学生から大学生までを含めて1,400万人ですが、社会人はオフィス労働者だけでも2,700万人であり、この人口規模の差が市場規模の差に反映されています。
また、学生は社会人よりもシャープペンシルの使用頻度が高く、替え芯を頻繁に購入すると想定できますが、今回の市場規模の推定には含めていません。
この点も社会人との差に影響を与えていると思います。
――シャープペンシルの市場規模は150億円とのことでしたが、ボールペンの市場規模も同程度と推定されますか?
ボールペンの市場規模は、今回推定した(替え芯を含めていない)シャープペンシル「本体」の市場規模よりも大きいと考えます。
たとえば、ボールペンはシャープペンシルと異なり、黒色以外にも様々な色があり、幅広い用途で使用されます。
また、基本的にインクがなくなれば買い替えることになるため、買い替え頻度では大きな違いが現れるでしょう。
(本稿は『問題解決力を高める 外資系コンサルの入社試験』から一部を抜粋・編集したものです)