「夏休みは子どもが“理系好き”になるチャンス」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。本「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【子どもが“理系好き”になる遊び方】をお届けする。
夏休みには
実験・工作・栽培・工場見学がオススメ
日本人の理系離れが改善しないという話をよく聞きますが、これを解決するカギを握るのが「STEAM教育」です。STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の略で、これからの社会で「最も成長が著しい分野」と考えられています。
思考が柔軟な小学校時代にコンピュータースキルを身につけ、科学技術の可能性にふれて主体的な問題解決プロセスを経験することで、「テクノロジーは面白い」「自分もモノ作りや研究に関わってみたい」という気持ちを高めることができます。
残念なことに、日本社会には「理系=男子が得意」というジェンダーバイアスもまだ残っています。
OECD(経済協力開発機構)が2019年に行った調査によると、「自然科学・数学・統計学」「工学・製造・建築」などのいわゆる“理系”分野における女性の割合は、日本は比較可能な36カ国でいずれも最下位です(加盟各国の大学など高等教育機関の入学者に占める女性の割合を調査、「自然科学・数学・統計学」の分野で27%、「工学・製造・建築」で16%)。
OECDは「男女で著しい差が生じている」と指摘しています。
もちろん、コンピューターサイエンス、エンジニアリング、デジタルアート、アニメなどに興味を持っている女子はたくさんいます。しかし「理系は男子の得意分野」というバイアスが、教師にも、親にも、子ども自身にも悪影響を及ぼしているのではないでしょうか。このようなバイアスは、今すぐ捨てましょう。
家庭でSTEAM分野への興味を引き出すには「実験」が効果的です。家庭にあるモノでできる簡単な実験がたくさんありますので、休日に家族で楽しんでみてください。
インターネットで「科学実験」「理科実験」と検索すれば、家庭でできる実験の例がたくさん見つかります。いくつか家庭でやってみて、子どもの関心を引き出してみるのはいかがでしょうか。
科学実験キット、電子工作キットや、サイエンス玩具の「電子ブロック」、プログラミングで動かせるブロック玩具の「レゴ(R)ブースト」などもSTEAMへの興味を引き出すきっかけになります。
植物や野菜を子どもと一緒に栽培してみるのもよいでしょう。ベランダやプランターで栽培できる野菜を子どもと一緒に作る。そして実際にそれを一緒に調理して食べる。さらに余った根や種を再利用してまた野菜を栽培する。この一連のプロセスを経験することで「サステナビリティ」を体験することができます。
さらに、食品、日用品、乗り物まで、さまざまな製品を作る様子が見られる工場見学をすると、子どもの好奇心が大きく刺激されます。身の回りにあるモノがどうやって作られているのかを自分の目で確かめることで、子どもの視野は大きく広がります。
実験・工作・栽培・工場見学。どれも夏休み期間中にピッタリの遊びです!勉強ではなく遊びとして家族で楽しむことで、子どもの「理系への興味」が開花するかもしれません。だから、夏休みは子どもが“理系好き”になるチャンスなのです。
「わが子の気質を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。
「天才気質」「研究者気質」「商人気質」「パフォーマー気質」「共感者気質」のうち、わが子のタイプはどれなのか…?カンタンな診断でスッキリ判明します!
さらに、5タイプ別に、【学力の伸ばし方】【学校・習い事の選び方】まで徹底解説!気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!
拡大画像表示
子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。