ダイヤモンド・オンラインの「学びの動画」では現在、作家で元外交官の佐藤優さんが、読者の人生のお悩みにお答えするスペシャル企画を行っています。今回は特別に、本企画『佐藤優 謙虚な人の戦略書』の一部をテキスト化してお届けします。「上司との雑談が辛い」と悩む若手読者に、「知の巨人」はどのような教えを授けたのでしょうか?(元の動画はこちらからご覧ください)
プライベートを根掘り葉掘り聞いてくる
上司が生理的にムリ!
男性の上司が生理的に受け付けません。僕は公私を分けたいタイプなのですが、上司はプライベートも含めて仲良くしたいようで、色んなことを根掘り葉掘り聞いてきます。
小さな会社で、部署には僕と上司の2人だけ。なので仲が悪くなっても困ります。
必要最低限の仕事に関わる話だけをしたいのに、色々聞かれるし、個人的な話をされるので、仕事の話もしたくなくなってきてしまいました。
仕事自体は好きなので辞めたくないですし、仕事だけを切り取ると上司は尊敬できます。なので教えてほしいこともたくさんあるのですが、どうすればうまくコミュニケーションが取れるのでしょうか?
相談者:Aさん(30歳男性・営業職)
【佐藤優の答え】
確かに、雑談好きの上司からネチネチと質問されるのは面倒くさいものですよね。
ですが、はっきり言います。 この上司とどう付き合っていくかは、「あなた自身がビジネスパーソンとしてどれくらい稼ぎ、どこまで出世したいか」によって変わってきます。
国税庁がまとめた「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は458万円です。 この金額に照らすと、かなり小さな会社で働いていて、30歳と若いAさんの年収は300万円台 かもしれません。
あなたは今後、そこからどうしていきたいか。「日本人の平均年収くらいのラインを確保できればいい」という考えだったら、上司に「自分は公私を分けたいので、私的な内容に立ち入らないでください」「仕事のことだけを教えてください」とズバリ言えばいい。
上司はムッとするけれども、「そういうことか」と納得して、一緒に淡々と仕事をやってくれるでしょう。
一方で、Aさんが将来的に「年収1000万円を超えたい」といった野望があるのであれば、アドバイスの内容は真逆になります。