みさき 遺族も年金がもらえるんですか?

井戸先生 はい。遺族年金は公的年金制度の1つです。「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、それぞれの受給額は下表の通りです。必要保障額を計算する際には、この金額を加味するようにしましょう。また、会社員や公務員の配偶者は、その両方を受け取ることができる一方で、フリーランスや自営業者の配偶者は、「遺族厚生年金」を受け取ることができません。そのため、フリーランスや自営業者の家庭は会社員や公務員の家庭と比べて、必要保障額の設定を高くしたほうがよいでしょう。

もえ 遺族年金のほかに障害年金もありましたよね?

井戸先生 障害年金は、公的年金制度に加入している人が、障害により日常生活を送ることが難しく、支援が必要な場合に受け取ることができます。「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、障害状態によって受給できる額が変わってきます。

みさき 働けなくなった場合でも障害年金があれば安心ですね!

井戸先生 ただし、フリーランスや自営業者の場合は「障害厚生年金」を受け取ることができず、「障害基礎年金」のみなので、受け取ることのできる金額は少なくなります。そのため、フリーランスであるもえさんは、民間の就業不能保険などに加入して、不足分を補てんすることも考えてみましょう。

20万円確保しておけば
公的医療保険だけでOK!

もえ つい先日、手術を受けた友人がいるんですが、入院期間が意外と長引いたらしく…。民間の医療保険に加入していなかったので、予想外の出費だったと言っていました。医療保険には加入したほうがいいんでしょうか。

井戸先生 生命保険文化センターの調査によると、直近の入院時の1日あたりの自己負担費用の平均は約2万1000円となっています(2022年度調査)。1週間の入院で15万円近くの出費が発生するわけですから、充分な貯蓄がない場合には、万一の事態に備えるためにも民間の医療保険への加入が必要かもしれません。