みさき でも、医療費って原則として自己負担は3割なんですよね?それに、医療費が高額になった場合には、高額療養費制度を利用することで、上限額を超えた分について払い戻しを受けることができるって、先生の説明もありましたよね。

井戸先生 たしかに、医療費の大部分は公的医療保険が負担してくれますが、入院時の食事代や差額ベッド代などは公的医療保険の対象外で全額自己負担となります。そのため、通常の大部屋ではなく、条件のよい個室などを希望した場合には、1週間程度の入院でもなかなかの出費となってしまうわけです。

みさき そうだったんですね…。

もえ となると、やっぱり民間の医療保険への加入は必須なんですか?

井戸先生 必須というわけではありません。もえさんのように日頃から貯蓄をして、万一の事態にも対応できる蓄えがある人であれば、民間の医療保険に加入しないという選択も充分に考えられます。医療のためにとりあえず20万円くらい確保しておけばOKでしょう。

もえ なるほど。

井戸先生 ただ、もえさんがこれから結婚して出産することも考えているなら、事前に民間の医療保険に入っておくのもありですよ。妊娠中や出産時には想定外の医療費が発生することも考えられます。不測の事態への備えとして、今のうちから加入しておくのも有効です。

みさき 私はそもそも貯蓄がほとんどないのですが…。

井戸先生 みさきさんのように貯蓄がほとんどない人は、それこそ肺炎や骨折などで数日入院しただけでも、金銭的に大きなダメージを受ける可能性があります。民間の医療保険に加入しておいてもいいでしょう。貯蓄のペースアップも忘れずに!