「谷」や「転」があるから、多くの人に支持されるのです。
自分の「場所取り」を考える時にも、谷は大いに影響します。
谷は資産になるからです。それは、人生後半に間違いなく生きてきます。
あなたには、人生前半で語るに足る失敗や挫折はあるでしょうか。それはどのようなことだったか、具体的に深掘りしてみてください。たぶん、それらはあなたにとって、周囲からの共感を集め、信任を育む大きな材料になります。
もし「谷があまりなかったな」という人は、今からでも失敗や挫折をしたほうがいい。
失敗や挫折を恐れてはいけません。何より、あなたの人間としての器を間違いなく大きくしてくれるからです。
信用される
当たり前の10カ条
では信用される人とは具体的にどういう人か。まずは8つ挙げますね。
(1)挨拶ができる
(2)約束を守る
(3)古いものを大事に使う
(4)人の話が聴ける
(5)筋が通っている
(6)先を読んで行動する
(7)他人の身になって考える
(8)気持ちや考えを表現できる
当たり前のことばかりです。
でも、この当たり前のことができている人はけっこう少ないもの。あるいは、ある時は他人の身になって考えたけど、別の時は考慮しなかった。つまりバラツキがある。こういうムラが大きい人はあまり信用されません。
逆に言えば、これらをきちんと守れば自ずと信用(クレジット)が醸成されていきます。
ところで、なぜ先に8つを提示したのでしょうか。
藤原和博 著
こうした10カ条を作る時、項目を12個作り、2つ減らして10個にする方法もあります。
しかし、それでは多くの人が納得するものにならないと私は考えます。10カ条なら100個くらい挙げて、そこから減らすくらいでないと、説得力がないでしょう。
しかし、今回は違います。残り2つは、逆に「信用できない人の10カ条」を考えて、そこから導き出しました。それが次の2つです。
(9)潔さがある
(10)感謝と畏れの感覚がある
この2つは、先の8つよりも難しいかもしれません。でも、この2つができるようになると、人間の器は大きくなります。