「分類」が違うことから
売り方が大きく異なる

 まずは公式説明から入りましょう。リポビタンDのような栄養ドリンクは医薬品ないしは医薬部外品に分類されます。一方のレッドブルなどのエナジードリンクは清涼飲料水に分類されます。

 そのため、栄養ドリンクは疲労回復の効能をうたうことができます。一方でエナジードリンクは効能をうたうことはできず、なんとなく元気が出るようなイメージを訴求することしか法律では許されていません。

 つぎに非公式な説明をしますと、レッドブルはもともとタイで圧倒的なシェアを持っていたリポビタンDに対抗する製品として地場の会社が発売したドリンクがルーツです。

 その後、エナジードリンクの可能性に目をつけたオーストリアの企業がタイのレッドブルのグローバル市場での販売権を獲得します。

 このオーストリアの企業がとにかくマーケティングがうまかったのです。味や成分を改良し、広告宣伝も果敢に投資して欧米市場で製品を売り込みます。

 結果、世界中にエナジードリンク市場が生まれ、モンスターなど対抗ブランドも出現し、いまではエナジードリンク市場が世界の飲料の重要なセグメントにまで発展しています。

 つまり非公式な説明によれば、もともと同じような競合商品だったのだけれども、売り方がうまいレッドブルが世界市場を制したという話でもあるのです。