令和の今、なぜレコードプレーヤーが売れるのか?
多くの人がスマホでサブスクの音楽を聴く時代、レコードプレーヤーの人気が若年層の間で高まっています。いかにも「昭和レトロ」なデザインのものもありますが、ここではネオレトロ感のある「サウンドバーガー」をご紹介したいと思います。
「サウンドバーガー」は、創業周年を迎えたオーディオテクニカが、1982年に発売した同名のポータブル・アナログレコードプレーヤーを復活させた商品です。2022年11月にオンラインストアのみで売り出したところ、発売するやいなや即完売。翌月の再販売でも瞬く間に完売しました。
アニバーサリー企画として「サウンドバーガー」が選ばれたのは、アナログレコードを知らない世代に、その魅力を伝えるコミュニケーションツールとして最適だという理由がありました。従来のオーディオファンにも注目されましたが、とくに目立ったのがZ世代の盛り上がりでした。

川上徹也 著
創業60周年記念イベントに設置したサウンドバーガーの先行販売エリアには、ポップカルチャーやファッションとしてレコードに興味を持つ若年層が多数来場。レコードをハンバーガーのパテのように挟み込んで回転させる再生方法が斬新だということで、非常に好評だったといいます。
その場ですぐにリアルな写真が手に入り、それを人にあげることもできる「チェキ」と、持ち運びが可能なレコードプレーヤーである「サウンドバーガー」は、どちらもコミュニケーションツールとして魅力的だという共通点があります。
デジタルとアナログの「いいとこ取り」を実現し、ユーザーに「レトロエモい」体験を提供できれば、そのガジェットはヒットの期待大と言えそうです。