死亡リスクが23%減!地球も救える「新ダイエット」とは?【20万人調査で判明】写真はイメージです Photo:PIXTA

プラネタリーヘルスダイエットは
地球と人間の健康を促進する

 地球を救うために考案された、植物性食品をベースにした食事法であるプラネタリーヘルスダイエット(planetary health diet;PHD)は人々の命をも救うことが、米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の疫学・栄養学教授であるWalter Willett氏らによる大規模研究で確認された。

 Willett氏は、「食生活を変えることで気候変動のプロセスを遅らせることができる。地球にとって最も健康的なことは、人間にとっても最も健康的なことなのだ」と述べている。米国立衛生研究所(NIH)からの研究助成金を受けて実施されたこの研究の詳細は、「The American Journal of Clinical Nutrition」に6月10日掲載された。

 PHDは、加工度の低い植物性食品の摂取を重視し、魚や肉、乳製品の摂取は控えめにする食事法である。植物性食品ベースの食事が地球と人間の双方に有益であることは他の研究でも示されているが、そのほとんどは短期的な視点で検討したものである。それに対し、今回の研究では、20万人以上の男女を最長で34年にわたって追跡調査を行い、PHDの有益性を検討した。

 対象は、Nurses’ Health Study(1986〜2019年)の参加女性6万6692人、Nurses’ Health Study II(1989〜2019年)の参加女性9万2,438人、およびHealth Professionals Follow-up Study(1986〜2018年)の参加男性4万7,274人で、ベースライン時にがん、糖尿病、主要な心血管疾患に罹患している者はいなかった。