「中小トラック運送業者の倒産」が前年比倍増!大手との格差が広がるワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

トラック業界で企業規模による景況感格差が拡大している。大手物流業者は価格改定、単価の上昇により、業績に改善傾向がみられる一方、中小トラック事業者は燃料費や人件費の上昇に価格転嫁が追い付かず、4月以降、倒産件数が前年比2倍で推移している。「2024年問題」がスタートして3カ月が経過し、「トラックGメン」をはじめ行政の監視強化も適正取引の追い風となっているが、大手と中小で明暗が分かれている。(カーゴニュース発)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

中小事業者の景況感はマイナス圏のまま

 全日本トラック協会が発表した、2024年1~3月の景況感調査によると、規模別で車両数「101台以上」の大規模事業者の景況感は「3.3」と前期(23年10~12月)に比べ0.9ポイント悪化したもののプラス圏を維持。「21両以上100両以下」の中規模事業者は「マイナス28.2」で13.4ポイント悪化、20両以下の「小規模事業者」は「マイナス33.3」で5.7ポイント悪化した。

 景況感の推移をみると23年7~9月期は、中規模事業者が「マイナス27.3」、小規模事業者が「マイナス35.9」に対し、大規模事業者は「マイナス50.0」だった。しかし、23年10~12月には大規模事業者は一気に「4.2」とプラス圏に浮上。24年4~6月期の予測でも、大規模事業者は「3.3」とプラス圏で横ばいを見込むが、中規模事業者は「マイナス31.5」、小規模事業者は「マイナス40.7」と悪化する見通しだ。