日銀国債減額計画、毎月の買い入れ4兆円減額?
異次元金融緩和の負の遺産処理が始まる
日本銀行が7月30日から開かれている金融政策決定会合で、今後1~2年の長期国債買い入れの減額計画を31日に決定する。加えて政策金利の3月に続く引き上げが決まる可能性もある。
国債買い入れ減額と計画の決定は6月の決定会合で予告されていたものだ。すでに日銀は1年半以上にわたって国債買入額を減らしてきており、今年1月以降は月6兆円をやや下回る水準で推移している。また、5月には残存期間5~10年の1回当たりの買い入れオファーが500億円減額(月間2000億円)されるなど減少基調は今も続いている。
減額計画ではこうした流れをより加速させる形で、国債買い入れを計画期間中に4兆円程度減らして、月2兆円程度の水準までにする可能性が考えられる。
問題は、この後、日銀が異次元緩和策などで膨れ上がった保有国債残高をどういった水準を念頭にしながら、どのようなペースで減らしていくかだ。
国債買い入れ額は国債償還額をこのところ下回っており、残高は減っている。しかし金利正常化を進めながら、600兆円に上る日銀保有国債を国債市場(長期金利市場)の不安定化を招かないように減らしていくのは、難しいかじ取りだ。
7月会合での同時の追加利上げは、決定会合で示される新たな経済・物価見通しにもよるが、見送られる場合でも、植田和男総裁が次回の9月決定会合に向けてどのような発言をするかが注目だ。