ロードスターって
ちゃんと儲かってるの?

F:ロードスターって、キチンと利益が出ているのですか?電装系にしろエンジンにしろ駆動系にしろ、開発に大変なお金がかかっているようですが、ちゃんと利益は出ているのでしょうか。

齋:出ています。もちろん出ています。これは言ってもいいのかな?……マツダの中でもトップクラスの利益率です。一番とは言いませんが、それに近いくらいに利益が出ているクルマなんですよ。ロードスターは。

F:メッチャ優秀じゃないですか!

齋:はい。世界中のどこに出しても恥ずかしくないぐらいに、ビシッと綺麗なビジネスをしています。でなきゃ続けられませんよ。「スポーツカーはメーカーの看板だから」、なんて言って赤字を垂れ流す商売をしていたら、ロードスターなんて簡単に消えてしまいます。そのためにはやっぱり数です。台数が出るから続けられる、利益も出る。台数が出なければいけません。そして台数が出るためのクルマ造りをしなければいけません。

F:なるほど。大変勉強になりました。今日はありがとうございました。

一同:ありがとうございました!

マツダ ND型ロードスターマツダ ND型ロードスター(広報写真)

「スポーツカーでも、台数が出なければ続けられない。続ける意味がない」。NB、NCロードスターの開発主査を務められた、「ミスターロードスター」こと貴島孝雄さんも、以前同じことをおっしゃっていました。

 マツダは営利企業。ボランティア団体ではありません。一部の好事家が喜ぶマニアックなクルマを、赤字上等で売り続けたら会社が傾いてしまいます。「良いクルマを造る→たくさん売れる→開発コストをかけられる→良いクルマになる→たくさん売れる」、こうした好循環が生まれている。

 10年目のロードスターはこれからどのように進化していくのでしょう。期待とともにウォッチし続けようと思います。

(フェルディナント・ヤマグチ)