「休んだら勉強が遅れる」と憤った人は
すでにピンチ状態

(2)休む時は思いっきり休む

「そんなことを言って、この一日休んだらどれだけ勉強が遅れるのか分かってる!?」と憤りを感じられた人ほど、すでに追い込まれているピンチの状態です。

 今まで数年かけて積み上げてきた学力は、たった数日の休みで簡単に消えることはありません。一方で、一度崩れた親子関係を立て直すことができなくなる可能性はゼロではありません。

 市民マラソンに例えると、ランナーは休憩地点でドリンクや軽食を取りながら走ります。しっかりと走り続けていくために休憩が不可欠なことは、勉強も一緒。疲れ果てている子どもに、「水なんて飲んでいる暇はないのよ!」というのはあまりにも酷な話です。

 どれぐらい休むといいのかは個人差があると思いますが、子どもの回復力は目を見張るものがあるので、たった一日でも大きな効果が得られるかもしれません。

「好きな釣りをして、夕食は釣った魚を家族で食べた」「ハイキングに行って自然の中で一日過ごした」「野球を受験のために休んでいたが、久しぶりに父とキャッチボールをしてストレス解消した」「母とケーキバイキングに行って思う存分、食欲を満たした」など、リフレッシュすることに集中して過ごしてみてください。

何となくだらだらと過ごすのはオススメできません。「家族で」「外出して」というのが2大キーワードです。

(3)親が「一人で抱え込まない」

「思いっきり休むときは休む」ことは、実は親に対して一番伝えたいことでもあります。子どもを元気付けるためには、親が元気であることが必要不可欠です。

 子どもが「ごまかし(ズル)」をしたという状況を他人に伝えるのは恥ずかしいかもしれませんが、信頼できる塾の先生などに相談に乗ってもらってください。

 特にたくさんの生徒を見ているベテランの先生は頼りになると思います。ただし、子どもが「先生に伝えて欲しくない」と言ってくるケースもあるので、その時は内緒にしてもらうと良いでしょう。
トラブルや課題は、すぐには解決できないかもしれません。それでも、共有している相手がいるだけで楽になることがあります。

 成長期で発展途中の小学生が主役の中学受験では、さまざまな失敗やトラブルは「貴重な成長の機会」と捉えて向き合っていきましょう。

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