「新興の資産運用会社」日本代表15社を独自選出!経営者の実名と運用戦略とは?写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

 東京国際金融機構(FCT)は、新興運用会社の認知度向上を目的とした事業を行っている。今年1月の東京アセットマネジメントフォーラムでは、内外のアセットオーナーに向けた情報発信として、日本を代表する新興運用会社のリスト(エマージングマネジャー・ショーケース)を発表した。本稿では、FCTの取り組みを説明するとともに、このリストで取り上げた新興運用会社のプロフィールを紹介したい。

海外では一般的な新興運用会社の青田買い

 FCTでは国際金融都市・東京の魅力を高めるため、内外のアセットオーナーと対話を続けてきた。その中で特に海外アセットオーナーから指摘されたのが「日本には『独立系運用会社』が少なく、魅力的な委託先を見つけられない」という問題であった。

 ロンドンやニューヨークといった国際金融センターには、魅力的な投資機会を捉える優秀な人材と、彼らが作る新しい運用商品を積極的に採用する投資家が集まっている。大手金融機関はさまざまな利害関係を持っているが、才能ある運用者が独立して創業した会社は、投資家と利益が一致していると歓迎される。

 さらに、才能ある運用者のファンドは「招待客限定」で、誰でも投資できるわけではない。そこでアセットオーナーは競って創業期から投資し、将来の投資枠を確保しようとする。いわば「青田買い」のような行動が常態化し、その競争が投資金融のイノベーションを推し進めているのである。

 翻って日本のアセットオーナーを見ると、トラックレコードの長さや資産規模といった形式的な基準で新興運用業者を足切りし、投資金融の新陳代謝を妨げているように思える。日本のアセットオーナーが新興運用会社の発掘・採用に積極的に取り組むことができるような環境の整備が急務である。

 そこでFCTでは、日本の新興運用会社のカタログ(エマージングマネジャー・ショーケース)を作成・公表し、内外のアセットオーナーへ情報提供することにした。欧米に比べれば小規模だが、東京でも才能ある運用者が自分の腕だけを頼りに起業する例はある。まず彼らの活動に光を当てることから始めることにしたのである。