ユニクロ柳井氏が自ら「競合」を生み出したワケ

 まともに戦っては勝てない相手に、どのように戦いを挑むかは、各企業が知恵を絞るところだろう。

 面白いのは、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、安く、そして品質の高い「ユニクロ」に対して、競合になりかねない「GU(ジーユー)」ブランドを立ち上げたことである。

 ユニクロは「ベーシックファッション」、GUは「トレンドファッション」を掲げているものの、両者とも低価格を志向しており、共食いになるのではないかという懸念があった。

 ファーストリテイリングは他にもセオリーなどのブランドを展開しているが、これらは高価格帯であり、ユニクロとはテイストが異なる。

 ところが、GUはユニクロと似たポジションにある。現在では、両ブランドの共存が当たり前となっているが、GUの立ち上げ当初や、ユニクロが販売不振から低価格帯に戻った時期には、大きな批判があった。